自力救済禁止の原則

 東京弁護士会の会報誌である『LIBRA』の今月号を読んでいると、公設事務所の設置活動で有名な事務所の所属弁護士が業務停止1か月という重い処分を受けていた。
 内容を読むと、マンションの部屋の明渡しに関し、交渉相手である部屋の借主の同意がないにもかかわらず、勝手に玄関の鍵を取り替えたとのこと。
 自力救済禁止の原則から、鍵の取替えといった実力行使ができないことは当然であるにもかかわらず、この弁護士がなぜこのような行為に及んだのかという点について、正直理由が分かりません。
 また、懲戒理由の要旨には、「経営弁護士の判断に従い」とありますが、この経営弁護士に対しては何らかの懲戒処分が下されたのかという点も気になります。