死因不明社会

死因不明社会―Aiが拓く新しい医療 (ブルーバックス)

死因不明社会―Aiが拓く新しい医療 (ブルーバックス)

医者で作家の海堂尊氏が、解剖の減少傾向について警鐘を鳴らしたもの。先日、例の時津風部屋の件で遺体の解剖結果が話題になっていたので、購入。
著者は、解剖により医学が進歩してきたにもかかわらず、予算の問題や、遺族の感情、監察医制度の未整備等の問題から解剖数の低下が止まらないことを指摘し、それにより犯罪、医療過誤が見逃されることを懸念している。
…著者の主張それ自体はもっともなのですが(解剖の補完手法としてAi(遺体をMRI、CT撮影する手法)を導入する等)、ただ、著者の別のミステリー作品のキャラクターを登場させてキャラクター同士で対談させたり、自分の作ったキャラクターを自画自賛しているあたりが寒いものを感じる。